小林賢太郎という人を知っていますか。
はじめに
皆さんは、小林賢太郎という天才を知っていますか。
小林賢太郎は、劇作家で、芸人で、漫画家で、パフォーマーで、俳優です。
テレビではほとんど見かけない彼の主戦場は、「舞台」です。
彼の作り出す舞台は「大真面目なくだらなさ」であふれています。
ということで僕が高校生の時に出会った天才・小林賢太郎さんを紹介したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
目次です。
小林賢太郎という男について。
小林賢太郎さんはお笑いコンビ「ラーメンズ」の一人です。相方は片桐仁さん。最近よくテレビで見かけます。天才的な表現力で舞台やドラマ、ラジオなど幅広い活躍をしています。二人とも多摩美術大学を卒業し、ラーメンズのネタもすべて小林賢太郎さんが作っていまして、舞台の脚本・演出をすべて一人で行っています。
舞台の最大の特徴は、余白です。特にラーメンズ時代の映像を見ていただくと分かるんですが、舞台美術が限りなくシンプル。そしてたまに学問的な内容になり、受け取り手の知識が試される内容もあります。爆笑の連続!ってわけではないんですが、二人のやり取りを楽しむ、「舞台」と「お笑い」の中間的なコントに仕上がっています。コントの中のストーリー、言葉にはならない二人の演技、舞台のコントとコントの幕間など、余白すら演出にしてしまう小林賢太郎さん。舞台の演出から台本まで全部考える小林賢太郎さんほんとにすごいです。その凄さはコントを1度見ていただければわかります。
書籍として、ラーメンズ時代の舞台の台本が戯曲集として売られています。ほかにも漫画や本も多数出版されておりまして、中でも僕が一番好きなのは「こばなしけんたろう」という短編集です。
小林賢太郎さんの書いた短編小説や、ショートコントなどがたくさん収録されてます。結構分厚いんですがクスっと笑える小噺がたっぷりで、移動中の読み物としてめちゃめちゃおすすめです。
ホームページはこちら。
余白の多さから小林賢太郎さんらしさがあふれていますね。
YouTubeには、「ラーメンズ公式」と「Kentaro Kobayashi」の2つの公式チャンネルがあります。
ラーメンズのコントや舞台など、過去の作品が視聴できるので、ぜひご覧ください。
さてここからは、小林賢太郎さんが手がけた舞台・コントの中からおすすめの作品をいくつか紹介します。
映像作品について
お笑いコンビ「ラーメンズ」
映像的にはかなり昔のものも多いんですが、発想や演出の斬新さからその内容はとても新鮮だと思います。これまでに行われた舞台はかなり多くて、公式チャンネルには100本の動画が公開されています。その中から僕の好きなコントを4つ紹介します。ただ度のコントも面白くて、それぞれのコントによって作風や二人の設定・演技が違うので、お気に入りの1作を見つけるためにいろいろ見ていただくことをお勧めします。
『CHERRY BLOSSOM FRONT 345』より「レストランそれぞれ」
ラーメンズ『CHERRY BLOSSOM FRONT 345』より「レストランそれぞれ」
ショートムービーのようなコントです。2人で6人を演じるその演出がとっても魅力的です。ほのぼのとした雰囲気の中に時折入る一閃の笑いがクセにになります。
二人のショートムービーを楽しむなら「エアメールの嘘」や「器用で不器用な男と不器用で器用な男の話」などもオススメです。
『ALICE』より「不思議の国のニポン」
ラーメンズ『ALICE』より「不思議の国のニポン」
小林賢太郎先生による日本の都道府県紹介です。ラーメンズとしてはかなり変わった「色物」的なコントです。これコントは飛びぬけて個性が溢れ出しちゃってます。見終わったら真似したくなること間違いなしです。
他にも変な小林賢太郎さんを見るなら、「ホコサキ」や「study」がオススメです。
『CHERRY BLOSSOM FRONT 345』より「小説家らしき存在」
ラーメンズ『CHERRY BLOSSOM FRONT 345』より「小説家らしき存在」
絶対に最後まで見てほしいコントです。締め切りが迫る小説家と、それを待つ編集者のコントです。他にも最後まで是非見てほしいのは「採集」や「銀河鉄道の夜のような夜」。いやまぁ、欲を言えばすべてのコントを全部見てほしいです。
『CHERRY BLOSSOM FRONT 345』より「怪傑のギリジン」
ラーメンズ『CHERRY BLOSSOM FRONT 345』より「怪傑ギリジン」
小林賢太郎さんは完全に動かず、片桐仁さん(ギリjン)が好き勝手動き回るコントです。ほんとに自由に動き回るギリジン。このタイプのコントは、小林賢太郎さんがギリジンの演技を見て笑っちゃうのを観てこっちもつられて笑っちゃいます。
ほかには「ギリジン」シリーズ、「スーパージョッキー」など。公式チャンネルにはないんですが特別講演でのコント「タカシと父さん」もおすすめです。
演劇プロジェクト「K.K.P. 」
Kentaro Kobayashi Presents、通称K.K.P.です。舞台なのでストーリーメインの展開が多いんですが、やはりそこは芸人・小林賢太郎です。ところどころに笑いが練りこまれていまして、展開の中で演者がつい笑ってしまうアドリブが見どころの1つです。
僕のおすすめは#5「TAKEOFF ~ライト三兄弟~」。ある3人の男がライト兄弟の幻の飛行機の設計図を見つけ、飛行機を作ろうとするお話です。おそらくK.K.P.の中で一番人気の作品だと思います。飛行機マニアと、旅する若者と、大工が繰り広げるレッツメイキング飛行機コメディ、ぜひご覧ください。
K.K.P.#5『 TAKEOFF ~ライト三兄弟~ 』
他には、図書館を舞台にしたミステリー「LENS」や、世界の端っこで起こるヒューマンドラマ「ロールシャッハ」が好きです。K.K.P.はラーメンズのコントより人数が増え、舞台美術にも凝った作品が多いので、スマホだと画面が小さくて演者の細かな動きが見え辛い印象です。なのでパソコンの大画面か、DVDでテレビで見ることをおすすめします。
ソロプロジェクト「ポツネン」
現在は「小林賢太郎演劇作品」という名称になっていますが、小林賢太郎さんが単独で行う舞台公演です。個人的に好きな公演は『THE SPOT』。中でも好きなのはChapter2の「タングラムの壁」という話。
Potsunen『 THE SPOT 』Chapter2「 タングラムの壁 」
この舞台の大きなストーリーの冒頭となる、一坪王国の王様の話です。複数のコントで作られた舞台なんですが、王様がアジアの東の端っこの国を旅しながら、いろんなコントをめぐるというような内容です。王様ははじめと最後にしか出てこないんですけどね。さてこのChapter2では小林賢太郎さんのよく考えている小話だったり、すごい角度からの物事の考え方がふんだんに詰め込まれています。
コントマンシップ「カジャラ」
2016年に旗揚げされたコント集団「カジャラ」。結成から2019年現在までに毎年舞台を行っていまます。舞台ごとにメンバーが少しずつ変わりまして、第4回公演「怪獣たちの宴」ではなんとなだぎ武さんがメンバー入り。また『#1 大人たるもの』にはラーメンズ・片桐仁さんも出演しています。各ライブのDVD/Blu-rayも発売されています。昨年12月25日は最新の第4回公演のDVD/Blu-rayが発売されました。
ちなみに第四回公演から「コントマンシップ」ではなく、「コント集団カジャラ」という名義に変わっています。理由は、「コント集団」とつけることで「自分たちはコントをやっているんだぞ!」と発信していきたいから。みたいなことを言っていました。確かに「カジャラ」と初めて聞いた方は何の集団なのかわからないですよね。
テレビとしては年に1回、小林賢太郎テレビというものが放送されています。コントのメイキング映像も流れているんですよね。なかなか珍しい映像で、小林賢太郎さんの製作現場や、コントの裏側が見れます。とっても面白いです。
パフォーマーを引退、そして
そんな小林賢太郎さんですが、2020年に引退を発表しました。
正しくは「パフォーマー」を引退するということで、作家や演出家としての小林賢太郎さんはまだ健在だといえます。パフォーマー引退の理由は足の調子があまりよくないと、本人のTwitterやブログで公表されていました。
【HP更新】
— 小林賢太郎のしごと【公式】 (@kkw_official) 2020年12月1日
“小林賢太郎より”を更新しました。
「肩書きから「パフォーマー」をはずしました。」 pic.twitter.com/6f07QlDqAn
おわりに
さて、僕の笑いに対する価値観をガラッと変えてくれたラーメンズ、そのすべてのネタを手掛ける小林健太郎さんを紹介しました。日常にあふれる「まだ見つかっていない面白さ」探したくなるような、ちょっとだけスマートな「お笑い」、いかがだったでしょうか。テレビで見る芸人さんも面白いですが、こういう舞台にもぜひ注目していきたいですね。
それでは、ここまで読んでくださりありがとうございました。