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My Hair is Bad の『Woman’s』という名盤を語りたい

音楽好きの皆さん、あなたの好きなアルバムはなんですか?

 最近はサブスクが流行りに流行って、アプリで音楽を聴く人が増えました。スマホで手軽に音楽を聴けるのはとてもいいことなんですが、その反面アルバムで音楽を聴く機会が減ってしまったのは残念だなと思います。最近の若い人たちは「好きな曲は?」と聞けばたくさん答えてくれても「好きなアルバムは?」と聞くと答えられない人が多いみたいです。

 どうも、筆者の柿と申します。

 

 アルバムには一曲一曲とは別にアルバムのタイトルというものがあって、それに合わせてアートワークや楽曲の編成が考えられていたり、アーティストの第3の顔といっても過言ではありません。第1がアー写で、第2が楽曲です。僕調べです。

サブスク解禁の流れにいまいち乗り切れない僕は、そんなサブスクの流れに逆らって、愛してやまない名盤を語りたいなと思います。アルバムにはアルバムの良さがありますよ。という話です。

 

今回語りたいのは新潟県上越市発の3ピースバンド「My Hair is Bad」の2nd Full Album『Woman’s』です。アルバム単位でみるとマイヘアの中で一番好きなまさに名盤です。どうぞよろしくお願いします。

 

目次です。

 

 

 

 

Woman's というアルバムについて

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http://www.myhairisbad.com/biography/ より

真っ赤・卒業で一気に知名度を上げたMy Hair is Badがその熱狂渦中の中リリースしたアルバム。真っ赤と卒業からバンドを好きになったファンがフェスに向けてこのアルバムを聞きまくったに違いありません。僕がそうでした。

 まずは収録曲をおさらいしましょう。

1. 告白

2. 接吻とフレンド

3. 音楽家になりたくて

4. グッバイ・マイマリー

5. 戦争を知らない大人たち

6. 恋人ができたんだ

7. mendo_931

8. ワーカーインザダークネス

9. 革命はいつも

10. 沈黙と陳列 幼少は永遠へ

11. 真っ赤

12. 卒業

13. また来年になっても

 

なんやねんこのパワーラインナップ・・・。

ほんとに頭からお尻まで全部楽しめる編成ですね。

当時はロッキン前に何度もこのアルバムを聞いてました。僕のマイヘア熱が一気に加速したのはこのアルバムのせいです。

 

 

収録楽曲を語りたい

どれもこれも好きなので1曲ずつ語ります。

1. 告白

My Hair is Bad – 告白 (Official Music Video)

現実を歌うロックナンバー。自分の心情を告白する歌です。アフターアワーにしろ復習にしろ、マイヘアのアルバムは1曲目に重い歌詞のアップテンポなナンバーが使われがちですが、中でも考えさせられる曲です。メロディのせいで歌詞がすらっと入るので歌詞の深さに気付くのに時間がかかりますが、現代の若者のどんよりと見据える未来や、思い通りにいかない現在を歌い上げています。

若者は何故か悩んでいる

このフレーズ。若者じゃなきゃ分からない詩です。こんな気持ちも年とともに薄れていくんだろうな。忘れたくないなあ。

 

2. 接吻とフレンド

My Hair is Bad_接吻とフレンド(ハイパーホームランツアー日比谷野外大音楽堂 2017/5/4)

マイヘアの代名詞でもある浮ついた若い恋模様の歌。男も女も浮ついてる。そんな渦中の男目線の歌です。彼女を待つ男の彼女の部屋での描写がどこかリアルで物寂しい。というかタイトルの通り彼氏彼女の関係ではないんでしょうね。

タバコの匂いが君からしたって

「ねえどうして?」なんて聞いたりしないから

だってさ。そんな恋愛したことないけど、きっと素直に幸せな恋ではないんだろうなって、でもちょっと憧れてしまう、そんな歌です。

この曲のいい所は男も女もどっちもクソってところです。

 

3. 音楽家になりたくて

My Hair is Bad - 音楽家になりたくて

ミュージシャンになりたくて、と読みます。アルバムにふりがながふってありました。元カノを思う歌詞がありますが、これは後悔ではなくてかなり前向きな歌だと思います。いや、今を割り切るための歌なんですかね。この曲で想う元カノさんはどの曲の彼女さんなんだろう。

もう会えなくたっていいよ 

すぐに帰れもしないし

ほんのちょっとだけ後悔の残る言い回し、こういう椎木節がめっちゃ好きです。

 

4. グッバイ・マイマリー

My Hair is Bad - グッバイ・マイマリー(ハイパーホームランツアー日比谷野外大音楽堂 2017/5/4)

接吻とフレンドとは打って変わって男がクソな歌。捨てられた元カノとの思い出をだらだら思い出して、後悔ばかりする歌です。Aメロの細かな描写というか詩的な表現が、まさに椎木さんの真骨頂なんだよなあと思います。

隣になぜか花束とタキシードで決め込んだ

僕がいるんじゃないかって思ってしまっている

ここまではずっと思い出話だったのに、このフレーズだけ現在進行形なんですよね。そのくらい未練残ってるんですね。でも男は大事な時に決断できず、二人の関係は終わってしまう。勇気って色んな時に必要ですよね。

 

5. 戦争を知らない大人たち

My Hair is Bad - 戦争を知らない大人たち (Official Video)

これまた初見さんが取っ付きづらい歌で、難しい歌詞の曲です。

1970年に発表されたジローズの「戦争を知らない子供たち」からもじった曲で、かつての子供たちが大人になりました。という歌。

平和になれてしまった現代の若者は、というテーマなんですかね。平和な世界を当たり前に生きてきてしまった僕達は、何かを信じることも出来ず斜に構えて、そのくせ無機質な世間の冷たさにはなんだか納得がいかない。なんだろうなあ、なんでこんなに考え無しに生きているんだろう、みたいな。そんなメッセージを感じました。感想は個人差があります。

きっと愛されていたんだ

なんだか後になって気づくことが多いな、と。あの時なんでこう考えられなかったんだろうと、後悔することは多いです。

 

6. 恋人ができたんだ

My Hair is Bad – 恋人ができたんだ (Official Music Video)

これは報告の歌。ラブソングというよりは、2人の思い出にピリオドを打つための歌のように感じます。今の恋を元カノに手紙で話すような、ちょっと語る感じの歌詞になっています。

僕らも2人と呼ばれてたね

初めて聴いたとき、元カレ元カノの関係をこんな素敵に表現できるんだ、って思いました。「2人」って呼ばれ方がなお高校とか大学とかその辺の若かりし頃なんだろうなって想像しちゃいますね。

 

7. mendo_931

なんか色々上手くいかなかった日にカラオケで叫びたいナンバー。ダメな時って色々重なるし、めんどくさいことはどう転んでもめんどくさいし、はーあ!みたいな歌です。

てか椎木さんの愚痴をそのまま聞くだけのハイテンポなロック。

もう払っちゃってるんですから

後から言うなってほんとに。って感じですか?

ほんとにチャラいよ椎木さん。

 

8. ワーカーインザダークネス

働く僕らのモーニングコールです。これを目覚ましにしていた時は本当に目覚めが悪かったです。朝の目覚ましとスヌーズはまるで永遠のように感じます。

曲の疾走感と歌詞の余裕のない感じが、毎朝の満員電車に疲れた若者の精神状態を映しているようですね。朝の脳死した僕らによく刺さります。

おい神様、飯奢ってくれ

この斜に構えた感じがイイですね。

 

9. 革命はいつも

反抗期の歌。親の愛の裏側ばかり受け取ってしまっていたあの頃の歌です。過ぎ去ってみると、「あの頃もっとああしていれば」とか「今の俺だったらこうするのに」とか、あまり考えたくない思い出を振り返ることもできるんですが、椎木さんはそんなもやもやした気持ちを歌にしてくれました。

間違いたいなんて思わない

頭ではわかってるのに、態度で示せない思春期と反抗期のモヤモヤ感がCメロに詰まってます。誰もが通った反抗期、思い出したら恥ずかしいですが、こうして歌にしてくれるとあんな時期もあってよかったなくらいには思えるようになりました。

 

10. 沈黙と陳列 幼少は永遠に

戦争を知らない大人たちと同様に、細かな情景の描写が際立つ歌です。感情描写が少ないところと、ポエトリーリーディング的な歌い方がまた聞き手に考えさせる歌になっています。このモノクロの映像が似合いそうな感じがとても素敵なんですが、歌い出しがちょっとだけ苦手です。

iPhoneから送信

このフレーズがこの歌のミソなのかなと思います。誰に送ったんだろう、とか。SNSにこぼしたのかな、とか。独り言のメモ書きがなんのひょうしに人前に零れてしまったような、歌詞とメロディの歌ですね。

 

11. 真赤

My Hair is Bad - 真赤 (Official Music Video)

もう言わずと知れた名曲、マイヘアの看板曲ですね。

自分に本気になってはくれない

真赤というのは2人を繋ぐ首輪のことなんでしょうか。

いつもは冷たくするくせに

二人の時は優しくするんだね

これは決意と別れの曲です。

 

12. 卒業

My Hair is Bad - 卒業(Official Video)

真っ赤に対するアンサーソングです。アンサーソングというか、真っ赤の行く末を歌った曲。僕がアルバムで一番好きな曲です。

真っ赤の当時、男側は二人の関係にずっと悩んでいたんだろうなと思います。なんだか都合のいい相手のように扱われていることも、それに甘えていることも分かっていて、だけど納得しきれない部分がどんどん大きくなってくる。そうしてはぐらかされているうちに男側はそのまま耐えられなくなってしまいました。ちゃんちゃん。

渋谷駅前の情景と行きと帰りの男の心情の対比がまた良い。

僕は君の何だった?

2番の女性目線の歌詞でさらにこのフレーズが深くなりますね。彼女は別れてやっと気づけたけど、彼氏はずっと悩んでたんだろうなあ。

 

13. また来年になっても

人生色々あるけどあんま気にせずいこうぜみたいな歌。10月発売のアルバムがこの曲で締めくくられるの、すごいイイです(語彙)。アルバム通して1番のAメロの情景描写がめちゃくちゃ素敵なんですよね。

誰でも決意は揺らぎます

僕がそうだったように、あいつもそいつもみんなそうなんだろうなあ。日常の中で忘れたくない、僕の好きなワンフレーズです。

 

 

おわりに

さて、13曲分もだらだらとお話しさせていただきました。

好きな音楽をサブスクで聞くのも楽しいですが、アルバムという1単位に目を向けて聞いてみるのもとても味わい深いものがあります。

アーティストがその1枚のためにいろいろ考えて、メッセージを込めて作ってくれていますからね。

 

個人的に好きなアルバムは何度も何度も聞いていまして、最近Woman’sはCDプレイヤーが読み取らなくなってきてしまいました・・・せっかく買った初回限定版が・・・。

どこかでまた買おうかな。なんて思っております。

 

それでは!ここまで読んで頂きありがとうございました!

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